フードコーディネーター/フードスタイリストのsaecoです!

11/25(土)の世界ふしぎ発見でデンマークが特集されるということを知ったので、日本の両親に録画を頼んでおきました。
現地在住者としては、どんな感じで報道されるのかとても気になります。デンマークで住んでいる今の家にはテレビがないので、しばらくテレビを見てません。まぁあってもデンマーク語の番組なので内容はわかりませんが…

海外転勤帯同、仕事はどうする?

ところで、主人の海外転勤に帯同するにあたって、フリーランスのお仕事はいったん休業という形にしました。メールやスカイプなどを利用して海外にいてもできる業務も一部ありますし、日本にいるときからしっかり営業活動をして海外に行くフリーランスの方もいらっしゃいますが、慣れない土地でどんな生活になるかわからないという状況で仕事を請けるのはちょっと不安だなと思ったので。

また、家族の海外転勤に帯同する方は配偶者ビザを取得する方が多いと思いますが、労働を許可されないケースも多く、働きたくても働けないという人も多いと思います。そもそも、ビザがあっても外国人への求人があるかどうかや、語学力の面など、すぐに仕事が見つかるとも限りませんが。

仕事を休業して、さぁデンマークで何しよう。

仕事を休業して海外転勤帯同するとなると、現地でやることを探さない限り、夫婦二人の生活なので主婦業以外にやることがありません。しかし、性格的に家にいるより外に出る方が好きなわたしにその生活が向いているのでしょうか?いや、向いていないに違いない。きっと暇を持て余してしまうことでしょう。

海外転勤に帯同することと周りの友人・知人に話すと、決まって聞かれるのは「むこうで何するの?」という質問。日本なら家族も友達もいるし、仕事以外でもやりたいことがすぐに見つけられそうなものですが、言語も文化も違う、知り合いが主人以外誰もいない土地で毎日家にいるのは孤独でしかない…とデンマークでの生活に不安がよぎりました。

デンマークで通える大人のための学校「フォルケホイスコーレ」

デンマークでどんなことができるのかいろいろ調べてみましたが、そもそも人口が神戸や北海道くらいしかない国なので日本人在住者も少なく、日本で得られる情報は限られています。仕事をしないなら何か勉強するのもいいかな、と思いましたが、大学院や専門学校に行くのは費用も時間もかかりすぎるし、かといって趣味のスクールのようなものがあるのかもわかりません。

でもせっかくデンマークに住むならデンマークでしかできないことがやりたい。北欧デザインや北欧の食文化など、最近日本でも注目されていることを学べたら今後の仕事の幅を広げるヒントになるかも、と探してたまたま見つけたのが、「フォルケホイスコーレ(Folkehøjskole)」という学校でした。

フォルケホイスコーレってどんな学校

ざっくりとフォルケホイスコーレの概要

フォルケホイスコーレとは、17歳以上なら国籍を問わず誰でも通えるデンマーク発祥の教育機関で、自分の好きなことを好きなだけ学べます。もともと「すべてのデンマーク人が平等に教育を受けられるように」と作られた背景があり、どの学校も学生の半数以上はデンマーク人だそうですが、留学生の受け入れもしており、授業は学校やプログラムによってデンマーク語か英語のどちらかになります。

高校と大学の間の位置付けのような学校なので若い人しか行かないのかと思いきや、シニア向けの学校もあったりと年齢も学校によってさまざまだそう。期間は1週間程度の短期から数か月など学校やプログラムによって異なりますが、短期間しか時間が取れないという人でも興味がある分野にチャレンジできるのは良いですね。
また、普通の学校と少し違うのは、試験や成績が一切ないことや、全寮制で生徒・先生の全員が共に生活するという点のようです。

フォルケホイスコーレで何を学ぶ?

現在70校前後の学校がデンマーク国内にあり、一般教養を学ぶ学校や、専門的な知識を学ぶ学校など、いろいろな分野の学校があります。
わたしが一番興味があった分野はやはり料理でしたが、料理を学ぶフォルケホイスコーレはデンマークには一校しかなく、授業はすべてデンマーク語で、外国人学生は1週間程度の短期プログラムを除き、基本的には受け入れしていないとのことでした。

次に検討したのはデザインの学校です。わたしはフードスタイリングの仕事と並行してデザインや制作の仕事もしていました。一見関係ないように思われる料理とデザインですが、デザインの考え方やセンスはスタイリングに通じるところもあります。

事前に調べた情報だと、あまり技術的な指導はなく芸術系の大学を目指す学生が準備期間として行くような学校が多いということでした。ただ、わたしは芸術系の大学で体系的にデザインについて学んだことはなかったので、一度学校で、それもデザイン大国のデンマークでデザインを学ぶのは技術以外のセンスの部分を磨くことができるかもしれない、と思いました。

日本人とフォルケホイスコーレ

最近は日本でも教育関係者を中心に徐々に認知度が高まってきているそうです。生徒は全員国からの助成金を受け、学費の一部を払うだけで入学できるので、物価の高い北欧で比較的安価に留学できるという点でも日本からフォルケホイスコーレ留学を検討する方も増えているようです。

とはいえ、まったく聞いたことないという方も多いと思いますし、日本には同じような概念の学校はないのでイメージするのが少し難しいかもしれませんが、デンマーク独自の考え方でおもしろいコンセプトだなと思います。

おわりに

主人と一緒に暮らすために海外に引っ越すのに全寮制?というところが気になりましたが、候補の学校に問い合わせてみると自宅からの通いも可能ということでした。実際に学校の近くに住んでいる生徒には通いの生徒もいるそうです。もし通うのが難しくても、すぐに家に帰れる距離なら大丈夫だろう、ということで最終的にデザイン系のフォルケホイスコーレに通うことに決めました。
フォルケホイスコーレでの学校生活の話はまた別の記事で書いていこうと思います。