お久しぶりです、フードコーディネーター・フードスタイリストのsaecoです。
前回の更新からなんと半年も空いてしまいました!

ブログを更新しない間、コロナの影響で外国人向け料理教室ができなくなったり撮影が中止になったりと大変なこともありましたが
最近はレシピ開発〜写真撮影までご依頼いただくことが増えたり、動画に出演したり
自分で動画撮影をするようになったりと、新しいことにも挑戦しています。

発酵食品でコロナ予防?

ところで、最近コロナの影響で免疫力アップに効果がある発酵食品が流行っているようです。
緊急事態宣言が出たころは納豆やヨーグルトを買おうとしたら品切れで買えない日が続いていた記憶…

前回の記事で紹介した味噌もそうですが、日本食って調味料も酒も食品も発酵して作られたものがすごく多いんですよね。

わたしは外国人のお客様に紹介するために、料理教室をはじめたころから少しずつ発酵食品のことを勉強しはじめたんですが
自粛期間中ステイホームで時間があったこともあり、自分でいろいろ作りするようになりました。

そのうちのひとつが甘酒!
今日は最近マイブームの甘酒の作り方とアレンジ方法について紹介したいと思います。

「飲む点滴」と言われる甘酒

甘酒の作り方

二種類の甘酒

甘酒には酒粕甘酒米麹甘酒の二種類あるのはご存知でしょうか。

酒粕甘酒は、酒粕をお湯で溶き砂糖で甘味を加えたもので、大晦日やお正月に振舞われることもあります。
酒粕にはアルコール分が含まれており、酒粕甘酒を作る過程である程度なくなりますが多少お酒っぽい味がします。
アルコールのおかげで身体が温まるので、温めたり生姜を入れて飲むのが人気ですね。

米麹甘酒は日本酒や味噌のように麹を発酵させて作る発酵食品です。
原料は米と麹のみで、とても甘いですが砂糖は一切入っておらず、アルコール分も含まれていません。
一般的に「飲む点滴」と呼ばれるのはこちらの米麹甘酒になります。

実はわたしは長い間酒粕甘酒しか飲んだことがなく、お酒っぽい風味が苦手で甘酒には苦手意識があったんですが
米麹甘酒を飲んでから甘酒の美味しさに目覚めました。

米麹甘酒の効果

米麹甘酒が「飲む点滴」と呼ばれているのは
点滴に含まれるブドウ糖、アミノ酸、オリゴ糖、食物繊維・ビタミンB群などがバランスよく含まれているのが理由だそう。
ブドウ糖はエネルギー源になるので、疲労回復や夏バテに効果があります。
また、発酵食品なので腸内環境を整える効果があり、結果的に免疫力が上がるとも言われていますね。

実際効果はどうなのか?と気になるところですが、わたし自身の体験では効果はあると思います。
今年の猛暑で夏バテして体調を崩したのをきっかけに毎日飲むようになりましたが
疲れが溜まっていたり胃腸の調子が悪かったのが甘酒のおかげで回復しました。

エネルギー源になるので、食欲がない時やつい朝食を抜きがちな人が食事の代わりに飲むのはとてもおすすめです。
ただ、エネルギー源になるということはカロリーも高いので、飲みすぎると糖分摂りすぎになるので気をつけてください。

手作り米麹甘酒の作り方

さて、今までも時々甘酒は作ったり買ったりして飲んでいたんですが
毎日飲むようになってから手作りした方がコスパが良いなと思い、週に1度くらいのペースで作るようになりました。
材料と道具さえ揃えればとても簡単に作れるので、今回は米麹甘酒の作り方をご紹介したいと思います。

材料

甘酒の作り方

・米麹…200g
・炊いたご飯…1合(約330g)
・水…500g

麹は生麹と乾燥麹の二種類がありどちらも使えますが、生麹は生きている生のコウジ菌なので酵素パワーが乾燥麹より強いそう。
手に入るなら生麹がおすすめですが、なければ乾燥麹でも大丈夫です。
通販でも買えますが、スーパーで手に入りやすいのは「みやここうじ」などの乾燥麹。冷蔵コーナーに売っています。

道具

・炊飯器 or 魔法瓶(1.2~1.5L〕 or ヨーグルトメーカー
・温度計
・鍋
・保存容器

甘酒の作り方

甘酒作りでは温度管理が必須なので、手元にあればヨーグルトメーカーが一番簡単で失敗も少ないですが、炊飯器や魔法瓶でも大丈夫です。
道具の中で、絶対用意した方が良いのは温度計。
ネットで探すと温度計なしで作るレシピも出てきますが、温度計なしで作るのは温度管理がとても難しく失敗しやすいのでおすすめしません。

作り方

1)保存容器をアルコール消毒or煮沸消毒

2)炊いたご飯と水を鍋に入れ、65℃くらいまで加熱

3)火を止めて米麹を加え温度をチェック。60℃より下がった場合は60℃になるまで温める
コウジ菌は65℃を超えると死滅してしまうので加熱しすぎないようにしましょう。

4)炊飯器 or 魔法瓶に入れ60℃で6~8時間保温(発酵)

<炊飯器を使った場合>

甘酒の作り方

炊飯器の内釜に入れ、蓋を半開きにして濡れ布巾をかぶせます。
2~3時間ごとにかき混ぜ、温度チェックをして温度が高すぎたら布巾を替えたり蓋を開けたりして調整します。
※炊飯器で保温すると温度が高くなりすぎることがあるので注意しましょう。

<魔法瓶を使った場合>

魔法瓶の中に入れ温度を測り、60℃~63℃くらいならそのまま蓋を閉めて保温します。
温度が高すぎたり低すぎる場合はいったん鍋に戻して温度調整します。
※魔法瓶にうつす時に温度が下がることが多いので60℃より少し高めまで加熱するのがおすすめです。

暖かい場所に置いたり、タオルで巻いたり、クーラーボックスや保温バッグに入れると温度維持しやすいです。
3時間くらいで温度チェックし、50℃近くになっていたら鍋に戻して再加熱します。

<ヨーグルトメーカーを使った場合>

ヨーグルトメーカーを使う場合は2)〜3)のステップは省いてOK。
材料を全て容器に入れて保温するだけで温度管理はお任せで大丈夫です。

5)出来上がった甘酒を保存容器に入れて冷まし、冷蔵庫に保存。1週間以内に飲み切る。

発酵する前はこんな感じですが

甘酒の作り方

発酵後はおかゆのようなドロっとした見た目になります。

甘酒の作り方

味見してまろやかな甘味が感じられたら成功ですが
保温している間に温度が上がってしまったり下がりすぎると味も変わってしまいます。

発酵するときの温度が高すぎると、水分が蒸発して黄色っぽい色になり濃すぎるくらいの甘みになります。
逆に温度が低すぎると麹の芯が残っていてあまり甘くなかったり、少し酸味を感じたりするので
そういう場合は、再加熱して保温時間を少し長めに取ってみましょう。

手作り米麹甘酒の飲み方

基本の飲み方

出来上がった甘酒はそのままだと濃いので、水やお湯を同量加えて飲みます。
1日に飲む量は甘酒 100g : 水 or お湯 100mlくらいがちょうど良いと思います。
甘酒は程よい甘味があり冷やしても温めてもどちらでも美味しく飲めるので、季節を問わず好きな飲み方ができるのが良いところ。

また、そのままだと米粒が残っているのでわたしはいつもフードプロセッサーでペースト状にして保存していますが
調理にも使いやすいのでおすすめです。

甘酒の作り方

甘酒は飲むだけでなく砂糖の代わりに甘味を加えたい料理やお菓子作りにも使えます。
砂糖より優しい甘味で塩麹のように酵素でお肉や野菜を柔らかくする効果もあるので、調理に使うと幅が広がります。

おすすめアレンジ① フルーツ甘酒

最近わたしがハマっているのは甘酒にフルーツやヨーグルトを入れてスムージーのように飲む方法です。
フルーツ甘酒は甘酒に皮を剥いたフルーツを入れてミキサーやフードプロセッサーで潰すだけ。
時間があれば水で割る前の甘酒にフルーツを漬けておくと、甘酒の酵素でフルーツが分解されて柔らかくなり旨味も増して美味しいです。
分量はお好みですが、100g(バナナ1本、キウイ1個くらい)程度が飲みやすいと思います。

フルーツ甘酒

また、ヨーグルトを加えたり、水の代わりに牛乳や豆乳を入れると飲み応えが出てスムージー感覚で飲めるのでおすすめ。
ヨーグルトは50〜100gくらいで、牛乳を50mlくらい入れることが多いです。
ヨーグルトが多いほど飲むヨーグルトのような感じになります。
腹持ちも良いので、わたしは朝食欲があまりない時は甘酒ヨーグルトスムージーだけ飲んで過ごすこともあります。

フルーツは年中手に入るバナナやキウイから季節のフルーツまで、なんでも好きなものを使ってOK。
砂糖やシロップを何も入れなくても、甘酒とフルーツの甘味で甘くて美味しいフルーツ甘酒になります。
秋は美味しいフルーツが豊富なので、無花果、梨、ぶどう、林檎、柿などいろんなフレーバーを楽しんでください。

おすすめアレンジ② さつまいも甘酒

基本の甘酒が作れるようになったら試してほしい、お米以外の材料を使った甘酒。

さつまいもの甘酒

フルーツ甘酒は出来上がった甘酒にフルーツを加えて作りますが、さつまいも甘酒は発酵する前の段階でお米の代わりにさつまいもを使って作ります。
作り方は全く同じで、炊いたご飯と同量の加熱したさつまいもを用意すればOKです。
さつまいもは食物繊維が豊富なのでお米で作るより少しザラっとした口当たりになりますが、さつまいものスイーツのような感覚で味わえます。
さつまいもだけでなくかぼちゃなどを使っても美味しいですよ。

市販の甘酒の選び方

米麹甘酒は市販でも美味しいものはありますが、気をつけてほしいのは添加物が使われている商品です。
ラベルの原料に米と米麹以外のものが記載されているものはあまりおすすめしません。
また、米麹甘酒は通常冷蔵して売られているので、常温で売られている商品は酒粕甘酒の場合もあるので気をつけて見てください。

ちなみにわたしの好きな市販の甘酒は日本酒メーカーの白鷹の米麹甘酒です。
濃縮タイプなので水で割って飲むのですが、濃い甘味でこくがあって美味しいです。
今まで飲んだ甘酒の中で一番お気に入りで、なかなか手作りでは同じような味が作れないので、手作りするようになってからもたまに買って飲んでます。

もうひとつ、スーパーでも買える甘酒なら日本酒メーカーの八海山のあまさけがおすすめ。
こちらはストレートタイプなので水で割らずにそのまま飲めます。
スタンダードな米麹甘酒も美味しいですが、紫あまさけという白米の代わりに紫黒米を使った甘酒が程よい酸味があってお気に入りです。

おわりに

健康のために発酵食品が気になるという方も多いと思いますが、わたしは純粋に甘酒の味が好きで続けて飲んでいます。
いろいろアレンジして飲むのも楽しいので、ぜひ試してみてくださいね。