こんにちは、フードコーディネーター/フードスタイリストのsaecoです。
大阪生まれ大阪育ちのわたしにとって、ソウルフードといえばやっぱりたこ焼きやお好み焼き!
昔東京で働いていた時に先輩や同僚に驚かれたことがありますが、大阪の人なら一家に一台はたこ焼き器があるのは普通ですよね。(驚かれたこと自体に驚いたわたし笑)
実家には昔ながらの鉄板のたこ焼き器がありましたが、わたしはホットプレートでたこ焼き用の鉄板が付いているものを使っています。
デンマークでたこ焼き器を発見!?
頻繁に食べるものではありませんがたまに食べたくなるたこ焼き。
デンマークでは当然売っていないと思っていたので、日本からホットプレートごと引っ越し荷物に入れて送っていたのですが、ある日街中でどう見てもたこ焼き器にしか見えないものを発見してしまいました…
こ、これは……たこ焼き器じゃないの!?
よく見ると、たこ焼きより一回り大きいサイズでどちらかというと明石焼きっぽい(やっぱりたこ焼きのイメージが頭から離れない笑)。
デンマーク人は一体何にこのたこ焼き器風の器具を使うのでしょうか。
クリスマスのスイーツに!デンマーク版たこ焼き器!?の使い方
デンマーク人に聞いてみると、このたこ焼き器風の器具はどうやらデンマークではクリスマス伝統のお菓子作りに使うそう。
「Æbleskiver(エイブルスキーバー)」という名前のこのお菓子は、デンマーク語で「りんごの薄切り」という意味でクリスマス前に食べるデンマーク料理のひとつです。
わたしはどこがりんごの薄切りなんだ?と思いましたが。笑 どちらかといえば姫りんごとかの方が正しいような…
材料はパンケーキとほぼ一緒で、球形のパンケーキのような感じです。食べるときは粉砂糖やジャムを付けます。
デンマーク人はなんにでもジャムをつけるというのがわたしのイメージなんですが、パンケーキにも粉砂糖やジャムを付けて食べるのがデンマーク流です。
ちなみにデンマークのパンケーキの作り方はこちらの寄稿記事で紹介したことがあるのでよければご覧ください。
デンマークではクリスマスが近づくとあちこちでクリスマスマーケットが開かれるので、そういう場所に行くとたいてい屋台で食べることができます。
グリューワインというホットワインカクテルと一緒に食べるのが人気で、わたしが行ったマーケットでも長蛇の列ができていました。
寒い冬に外でホットワインと一緒に食べると、ほっこり暖まりデンマークのクリスマスを感じられると思います。
デンマークのクリスマスといえば、こんな記事もおすすめ。
海外で作るたこ焼き
エイブルスキーバーは材料が違うだけで作り方はほとんどたこ焼きと同じ。
たこ焼き自体は海外でも評判がよく、特にたこ焼きをくるっと回して綺麗に作るのはとても人気です。
ホームパーティーなどでたこ焼きを作ればすごく盛り上がりますし、たこ焼きにかける甘辛い味のソースも外国人の味覚にマッチするよう。
デンマークでもたこ焼き器を持ち込まずに作れることが判明しましたが、難点は食材がほとんど手に入らないこと。
日本人が多く住んでいる街の日本食材の品揃えが良い大型の日系スーパーは別として、小さな町のローカルスーパーや普通のアジア食品店ではまず十分に食材が揃いません。
入手困難食材① タコ
たこ焼きの要ともいえるタコは、北ヨーロッパではなかなか手に入りません。
キリスト教の原点でもあるユダヤ教の旧約聖書では、「魚類はヒレとウロコを持つものだけしか食べてはならない」と定められているらしく、欧米ではタコのことを「悪魔の魚(devilfish)」といって嫌う人も多いです。
ロシア人の友達に日本ではタコを食べるというと「信じられない!!」といってまるでゲテモノを食べる人のような扱いを受けました。笑
ただ欧米と一言でいっても、スペインやイタリアではタコを使った料理もたくさんあるので国によりますけどね。
ちなみに、タコに限らず魚介類全般が手に入りにくいデンマークでのシーフード事情についてはこちらの記事をどうぞ。
入手困難食材② 天かす/紅生姜/かつおぶし/青のり
これも日本食特有の食材。運が良ければ手に入りますが、お店によってあったりなかったり、あってもびっくりするくらい高かったりします。
天かすは小麦粉と水からできているので海外で手に入る材料で自分でも作れます。
天ぷらを作る時に多めに作っておけば買わなくてもすみますが、わざわざたこ焼きのためだけに作るのは面倒ですよね。
わたしは最初の頃は作ってましたが、面倒臭くなってやめました。
紅生姜も自家製で作れますが、赤梅酢がないと作れないのでやっぱりこれも思い立ってすぐ作るというわけには行かないですね。
入手困難食材③ たこ焼きソース
たこ焼きが焼けてもこれがないと始まらないでしょう。お店によってソースの味にこだわりがあり、たこ焼きでは最も大事な要素のひとつ。
最近は海外でもたこ焼きやお好み焼きを知っている人が増えてきたので、アジア食品店なら置いている店もありますが、なかなかのお値段です。
ちなみにわたしの家の近所にあった地域で一番大きい(といってもコンビニより狭い)アジア食品店では1本約1,000円で売っていました。
う〜ん、屋台で安く食べられるはずの料理が一気に高級料理に…
代用食材を使ってデンマークでたこ焼き
たこ焼きという名前ですが、まさかのタコが手に入らないので、さてどうしよう?
ちくわとかでもいいんじゃない?と思ったそこのあなた、ヨーロッパではちくわも入手困難リストに入る高級品のひとつなんですよ。
日本のように安く手軽に手に入る食材ではありません。
ということで結局、デンマークではポピュラーな塩漬けのえびをタコの代わりに使いました。
もはや「たこ焼き」ではなく「えび焼き」。。笑
家で作るので何を入れてもいいんですが、やっぱり魚介類がいいなぁと思ったらそれくらいしか選択肢がありませんでした。
天かすの代わりにはローカルスーパーで買えるフライドオニオンを。天かすよりは味にパンチがありますが、食感が似ているのでちょうど良いです。
ねぎも現地スーパーで手に入るので刻んで使うだけでOK。
あとは日本から持っていった青のり、小パック入りの紅生姜、かつおぶし、たこ焼きソースを使って。
結局日本から持ち込む食材がないと、なかなか日本の味に近付けるのは難しいなぁというのが本音です。
粉もんが好きな人は、ソースだけでも日本から持ち込むのがおすすめです。
他にも海外で手に入りにくい日本食材は意外とたくさんあります。
自家製できるものや代用品はこちらでご紹介しているので興味がある方はどうぞ!
おわりに
海外でも人気のたこ焼き。味は違うけれど同じ形状のものがデンマークにもあるとは驚きました。
たこ焼き器を使ってたまにはデンマーク風に甘いスイーツを作ってみても良いかもしれません。
チーズやチョコレートを具材にしても美味しくできますよ。