こんにちは、フードコーディネーター/フードスタイリストのsaecoです。
一時帰国の時にデンマークのことについて家族や友人いろんな人に聞かれ、これでもかというくらい同じ話をしました(笑)

わたしはすでにデンマークの暮らしには慣れてきたので、最初は驚いたこともだんだん当たり前になりつつあるのですが、わたしの周りではデンマークに行ったことないという人がほとんどで、日本とは違うところがたくさんあるので、話すとびっくりされることが多く新鮮でおもしろかったです。

ということで、デンマークの基本的なことについて今まであまり書いてこなかったので、一時帰国時に聞かれたことを順番に記事にしていこうかと思います。

デンマークでは何語を話すの?

ほとんどの人にこの質問をされた気がしますが、デンマークの公用語はデンマーク語です。でも、デンマーク人は小学生の子供からお年寄りまで9割の人が日常会話程度以上の英語を話せます

ネイティブ並み?デンマーク人の英語力

デンマーク人はどの程度英語が話せるのか?というと、日本人からしたらペラペラ、ネイティブ並みはちょっと言い過ぎかもしれませんが、ほとんど不自由なく英語を話します。

子供は語彙力がそれほど多くないので話すのは簡単な英語ですが、日常会話なら十分。むしろ平均な日本人よりよっぽど上手。お年寄りでも普通に話せるのでびっくりしました。
また、20歳前後の若い世代はネイティブ並みに早い英語を話す人も多く、それほどリスニングが得意でないわたしは必死で聞いていないと会話についていけなくなります…(笑)

デンマーク人の英語はネイティブのようにスラングを使いまくるということもないので、ネイティブの英語よりわかりやすいかもしれません。デンマーク語の訛りが強い人はちょっと聞き取りにくいこともありますが、それでも十分流暢な英語と言えるでしょう。

世界3位!非ネイティブの英語力ランキング

非ネイティブの国を対象にしたEF英語能力指数という80ヶ国を対象にした2017年の国別英語力ランキングでは、デンマークは3位
1位はオランダですが、デンマークを含め、北欧の国は全てベスト10に入っています。わたしはデンマーク人以外は、ノルウェー人・アイスランド人としか話したことないですが、みんな英語はペラペラです。
ちなみに日本は37位で、レベルは平均以下のようです…

デンマーク人が英語を話せる理由

英語力が低い日本人代表のわたしからしたら、どうやったらこんなに英語が話せるようになるのが疑問でしたが、デンマーク人に話を聞いてみて理由は大きく分けて三つかなと思いました。

理由1 英語と似た言語である

世界の言語は言語グループという似た言語同士グループ分けできるのですが、英語とデンマーク語は同じゲルマン語系というグループに入っています。英語とデンマーク語の発音は全然違いますが、文法は似ており似た単語もいくつかあります。
逆に、日本語は英語との相違点がほとんどないため、英語を母国語とする人にとってはとても習得が難しい言語だそうです。
やっぱり母国語と似た言語は身に付くのが早いでしょうから、日本語が母国語の日本人と、デンマーク語が母国語のデンマーク人が英語を勉強するのは難易度が全然違うと思います。

デンマーク人の英語を聞いていると、あまり聞いたことのない独特の言い回しだな〜と思う表現を使っていることも。多分デンマーク語から英語に単語を置き換えて話しているのでそうなるんだと思いますが、文法が似ているからこそできることですよね。

理由2 英語での実践的な授業

今のデンマークの英語教育は小学校に入学した時からスタートし、高校生くらいになると英語で他の科目の授業を受けるまでになるそうです。英語をコミュニケーションツールとして使う教育ができる先生もそれに着いていける生徒もすごいなと思います。英語はそれ自体を勉強するよりも、英語を使って他の科目を勉強したり仕事をしたり趣味のことをしたりする方が伸びるのが早いと言われているので、効果的な勉強方法ですよね。
また、こちらの学校は授業中のディスカッションや自分の意見を述べるのが当たり前なので、授業の中で自然に英語で話せるようになるのかなと思います。

理由3 英語を日常的に使わなければいけない環境

日本だとテレビ番組はほとんどが日本語、海外の映画も日本語吹き替えがありますし、書籍も日本語、インターネットの情報も日本語。たいていの人は日本語しかわからなくてもさほど不自由なく生活できます。

でも人口の少ないデンマークでは、デンマーク語のテレビ番組や映画が少なく、海外で制作された英語版のものにデンマーク語の字幕をつけて流しているものがたくさんあるそうです。
また、インターネットなどで調べ物をするときもデンマーク語のWEBサイトだけでは不十分なので英語のWEBサイトを見ることもよくあると聞きました。子供の頃から当たり前に英語に触れる環境で生活していれば、生活に必要なものとして身に付きやすいと思います。

デンマーク人とのコミュニケーション!英語だけで大丈夫?

デンマークに永住するならもちろんデンマーク語が話せなければ困ることは多いと思いますが、そうでない場合はどうでしょう。これだけ英語が上手なデンマーク人とのコミュニケーション、実際どの程度英語だけで対応できるのか考えてみました。

旅行する場合

日常会話程度の英語ならほとんどの人が話せるので、旅行だけならまず困ることはないでしょう。むしろ、現地語が話せなくてもスムーズにコミュニケーションが取れるので、すごく旅行しやすい国だと思います。

とはいえ、公用語はデンマーク語なので、観光客が多いエリアを除き、お店などでも最初はデンマーク語で話しかけられることが多いです。でも、デンマーク語はわからないので英語で話してくれますか?と聞くと、すぐに英語に切り替えて流暢な英語で話してくれます。
日本だとありえないですよね。この器用さが羨ましい…

数年程度の短期滞在の場合

数年程度の短期の滞在で生活するだけなら、英語がある程度話せればなんとかなります。実際にわたしはデンマーク語は簡単な単語程度しかわかりませんが、普段の生活は英語だけで過ごせています。

ただし、街中の表記やレストランのメニューなどはもちろん、住民登録などの事務的な書類なんかも全てデンマーク語。コペンハーゲンは英語メニューが置いてあるレストランもありますが、それ以外の都市はほとんどデンマーク語がメインです。話せなくても多少は読める方が生活はしやすいと思います。

それでも今は便利な翻訳アプリがあるので、わたしは書類関係は翻訳アプリを使うか、たまにデンマーク人の知人に英語に翻訳してもらったりして乗り切っています。
日常生活で便利なのはやっぱりgoogle翻訳。カメラ機能でその場で撮影したテキストをすぐ翻訳できるので、 最初の頃は毎回スーパーに行くたびにgoogle翻訳で商品名を確かめて買い物していました。

働いたり学校に通う場合

これだけ英語を流暢に話せるデンマーク人ですが、仕事となると話は別で、アルバイトでさえデンマーク語ができないと雇ってもらえない職場が多いです。外国籍の従業員の割合が高かったりほとんど人と話さない職場なら英語だけでも大丈夫な場合もありますが、国際的な会社はそれほど多くないし、そういう職場はデンマーク語が話せない外国人に人気なので競争率も高いです。
アルバイトならまだ見つけやすいですが、きちんと就職したいならまずは語学習得をした方がスムーズだと思います。

学校に通う場合も、デンマーク人以外の国籍の生徒が多い場合は英語のコミュニケーションが中心になると思いますが、デンマーク人やその他北欧人が多い学校だとほとんどの人が現地語を話します
一対一や2~3人なら英語で話してくれても、デンマーク人数人+外国人1~2人という状況だと、大抵の場合デンマーク語でのコミュニケーションがメインになるでしょう。

デンマーク語で会話が盛り上がっていて、突然英語で「今までこういう話してたんだけどどう思う?」みたいなフリが来ることもよくありました。。
そういう場合は心の中で、聞いてなかったし話の文脈わからんわ!と思いつつ即座に英語で答える能力が求められる…
かどうかはケースバイケースですが、デンマーク人とのコミュニケーションはそんな感じだとイメージしてもらえると良いと思います。

また、英語で開講されている授業なら英語ができれば授業にはついていけますが、言語の壁だけでなく、もともとシャイな性格のデンマーク人とは友達になるのに苦労するかもしれません。もちろん仲良くなればずっと英語で話してくれる人もいますが、打ち解けるのには時間がかかります。

シャイなデンマーク人と道端で出会って奇跡的に仲良くなった話。

おわりに

英語が何不自由なく通じるデンマークで暮らしていても、友達をたくさん作ったり地域のコミュニティに溶け込むにはやっぱりデンマーク語は必要かなと感じています。難易度がとても高い言語なので、ちょっと勉強したくらいではすぐ話せるようにはなりませんが、日本でも外国人が単語だけでも日本語を覚えていてくれたら嬉しいように、デンマーク語を覚えていると喜んでくれます。
とはいえ、英語しか話せなくても仲良くなれる人もいますし、今のところはそこまで不自由していないので勉強の意欲があまり湧かないというのも事実ですが…

後日、デンマーク語の語学学校に通い始めました!