デンマーク時間でこんにちは、フードコーディネーター/フードスタイリストのsaecoです。海外に住んでいると恋しくなるのは日本食。

わたしは短期の旅行ならその土地の食べ物を食べたい派なのであまり日本食は恋しくならないのですが、しばらく食べられないとなると、やっぱり美味しい日本食が食べたくなります。

海外でも日本食がブームになっていると聞いてしばらく経ちますが、わたしは海外に引っ越すまで海外の日本食レストランには一度も行ったことなかったので、実際どれほど人気なの?と思っていました。

日本と違う海外の“sushi“

はじめて海外で食べた寿司は衝撃だった

わたしがはじめて海外で食べた日本食は、イギリスの日本食レストランの寿司でした。
語学学校でできた友達に、日本食恋しいでしょ?食べに行こう!と誘われて、あまり気乗りしなかったものの、せっかく気遣ってくれてるし…と一緒に行った日本食レストランで出てきたのがこれ。
イギリスの日本食レストランの寿司
そして、見た瞬間よぎった数々の疑問。

なんで枝豆が大量にあるのか?
なんで付け合わせが揚げ餃子なのか?
わさびは後付けスタイル??
(海外ではわさびが苦手な人もいるのでこれが普通だそうです)。
お箸と一緒に味噌汁にスプーンが添えられてきた。
このまぐろ生で食べて大丈夫!?
(と不安になるくらい色が悪かったです。。)

外国人が経営している日本食レストランで、他には日本食というよりアジア料理の要素がミックスされた怪しげなメニューが並んでいました。
ちなみに、わたしがオーダーしたのはNigiri Bentoというネーミングでした(笑)

アボガドとクリームチーズの寿司が好き?

イギリスでは仲良くなったいろんな国の友達を招いて何度か日本食パーティーをしました。
一応箸も体験してもらえるように用意していたのですが、普段から箸を使い慣れているアジア出身の人以外はほとんど使えません。ですが、そのとき来てくれたチリ人の友達が上手に箸を使っていたので、なんで使い方知ってるの?と聞いたら、チリで毎週寿司食べに行ってるんだよ!と。

寿司が大好きな友達はしょっちゅう寿司食べに行こう!と誘ってくれたのですが、最初に食べた寿司が衝撃だったので、寿司は日本と味が違うからいいわ、と頑なに断っていたわたし。
いつか日本に来たら美味しいお寿司屋さんに連れて行ってあげるよ、というとアボカドとフィラデルフィアクリームの寿司が好きなんだ!という友達。一般的な日本の寿司屋では出てこないよ、というと、すごく驚かれ、本物の寿司は好きじゃないかも…と。
日本人としてはちょっとショックでしたね。。

海外で一般的な寿司

デンマークの日本食レストランの寿司
日本のお寿司屋さんではまず見かけませんが、こちらではカリフォルニアロールが巻き寿司と同じくらい一般的です。
海外の人は海苔が苦手な人も多いそうで、海苔を内側にして巻いたカリフォルニアロールがUramaki(ウラマキ)として浸透しています。カラフルに着色されたとびこがトッピングされていたりもします。。
もはや寿司ではなく別の食べ物に見えますが、味は意外と普通です。

握り寿司はやっぱり人気でそのままNigiri(ニギリ)で通じますが、白身の魚はほとんどなく、まぐろとサーモンが大半。わたしは食べたことありませんが、アボカドやスモーク鴨など西洋風にアレンジされたネタなんかもあります。

ヨーロッパでの日本食事情

寿司はファーストフード?イギリスの日本食レストラン

イギリスでは日本食はかなり浸透しているなと感じました。寿司をはじめ、ラーメンはかなり人気です。また、焼き鳥や焼肉、粉もんなんかも普通に食べられます。聞いた話では、イギリスでは「ヘルシーな日本食を食べるのがトレンド」という感じで日本食が流行っているそうです。
特にロンドンは在住日本人も多く、日本人が経営している正統派の日本食レストランから、わたしが行ったような外国人経営のちょっと怪しげな日本食を提供しているレストランまでたくさんの飲食店があります。

とくにイギリス資本のYO!SUSHI(ヨー!スシ)、WASABI(ワサビ)、ITSU(イツ)、Wagamama(ワガママ)という大規模な日本食チェーン店はイギリスのいろんな街にあり(イギリス以外の国にもあります)、ファーストフードを食べる感覚で寿司や麺類、丼などが食べられているそう。
寿司が売られているWASABIとITSUはテイクアウェイができるお店で、半数以上は持ち帰り客かなという印象でした。スタイリッシュな店内にパックされた寿司や丼などが陳列ケースに並んでおり、従来の寿司のイメージとはだいぶギャップがあります。
ただ、どの店もファーストフードのわりに値段はそれほど安くはなく、値段の相場はパックの寿司で一人前1000円以上で売られています。味は日本のスーパーのお寿司と同じくらいか、もっと美味しくないものも多いのでだいぶ割高に感じました。

ちなみに、YO!SHUSHIは回転寿司。イギリスにも回転寿司あるんですよ。Wagamamaは麺類を提供していますが、日本人以外のアジア人からも酷評されていました。日本人が許せるレベルはITSUくらいかな、と個人的には思います…。といっても、ITSUもそれほど美味しいわけではないので、他のお店はあまりおすすめできません。

ロンドンで行くならAtariya(アタリヤ)というお店がおすすめです。ちゃんと日本人の板前さんがいるので、日本のようなお寿司が食べられますよ。
イギリスの日本食レストラン「ATARIYA」の寿司
Atariya(アタリヤ)のWEBサイト

デンマーク人と日本食

日本食以外にも漫画やゲームなど日本文化がけっこう浸透しているイギリスと違い、デンマークには日本食レストランはあまりなさそうだな〜と思っていたんですが、意外と寿司レストランは見かけます。コペンハーゲンなら日本人経営のお店もあるそうです。
ただ、デンマーク(というか北欧の)人は、日本食といえば寿司しか知らない、という人が大半です。また、魚より肉を食べる人の方が多いので、寿司は知ってるけど魚が苦手とか、そもそも生の魚は食べられない(外国人はこういう人もけっこういます)という人も。
ラーメンや日本酒のことを知っている人もいますが、よっぽどの日本通でなければ他の日本食のことはほとんど知らないと思います。

他のヨーロッパの国はどうなの?

今まであまり海外の日本食レストランに気を留めることはありませんでしたが、注意して街を歩いてみるといたる所に日本食レストランが!
最近、フランス、オランダ、ドイツに行きましたが、どの国も大きな街には日本食レストランはたくさんありました。特にパリにはロンドンと同じくらいか、それ以上たくさんあるように感じました。
街の規模によっても変わりますが、わたしたちが日本で中華やイタリアンのレストランに行くような感覚で、気軽に行けるくらいの数はあると思います。

海外で日本食レストランを選ぶ時に気を付けた方がいいこと

最後に、海外で日本食レストランを選ぶ時の注意点ですが、まず日本人が経営している店を選んでください。
当たりか外れかはここが一番です。有名な日本人経営のお店ならだいたいガイドブックやインターネットなどで出てくると思いますが、日本人が経営しているかどうかなんてわからない、という場合は料理の写真お店の名前に注目してください。

料理の写真を見れば一発で日本人が作ったかそうでないかはわかります。
日本食をきちんと学んだことがない外国人が作った料理の盛り付けはだいたいどこか変なところがあります。和食の盛り付けは特徴的なので、料理にそれほど詳しくない人でも見たら違和感を感じると思います。

お店の名前も、外国人が付けた名前だと変な日本語を使われていることが多いです。
「ワガママ」ってなんやねん!って思いましたからね(笑)「TOKYO」「KYOTO」のように地名が使われていたりとか、「ODEN(おでん)」というどう見てもおでんのお店じゃないようなお店なんかもありました。

そして、トリップアドバイザーなどで必ず日本人のレビューがあるお店を選びましょう。
外国人からの評価が高くても、海外ナイズされすぎた日本食とは言い難いレストランもたくさんあります。やっぱり日本食は日本人に人気の店が一番です。

おわりに

最近海外の寿司を見慣れたせいで、カリフォルニアロールに何の違和感も感じなくなっていたのですが、SNSに上げた写真を見た友達から驚きの反応があったので、そうだこれは日本では普通じゃなかったんだ、と我に返りました。慣れって怖い。

そうそう、先日このあたりでは日本人に評判の寿司レストランにお寿司を食べに行ってきました。
外国人シェフが作っていると聞いたのであまり期待はしてなかったんですが、日本人に寿司の作り方を学んだそうで、思っていたよりはるかに美味しかったです!
やっぱりお寿司は日本のものが一番ですが、しばらく食べられないときはそういうお店が近くにあるといいですね。年末に一時帰国するので今から日本で食べたいものをリストアップしています!(笑)

一時帰国で美味しいものを食べまくった記事はこちら。