こんにちは、フードコーディネーター/フードスタイリストのsaecoです。
住み慣れた日本を離れ海外に引っ越すと、人間関係はゼロからのスタートになります。
現地在住の日本人とは比較的友達になりやすいと思いますが、海外に住んでいるからにはやっぱりその土地の人とも仲良くなりたい、という方も少なくないでしょう。わたしもデンマークに住むなら地元の人ともコミュニケーションを取りたいと思っていました。

デンマーク人はシャイ?

日本人で「欧米の人=初対面でもフレンドリー」と思っている人はいると思いますし、わたしもデンマークに来るまでは少なからずそういうイメージがありました。ノリが良くすぐに仲良くなれるラテン系の人なんかはそういう人も多いと思いますが、すべての国の人に当てはまるわけではありません。

わたしはイギリスでの生活を経てデンマークに引っ越してきましたが、ここで感じるのは
デンマーク(北欧)の人はシャイな人が多い、ということ。

日本人も海外から見ればシャイというイメージを持たれがちですが、デンマーク人はそれ以上にシャイなんじゃないか、と思うこともあります。

困っている人には親切な人が多いデンマーク人

基本的に、困っている人には親切な人が多い印象です。重たいスーツケースを運んで移動していたとき、バスの切符の買い方がわからなくて戸惑っていたとき、デンマーク語のメニューが読めなくて困っていたときなども、自分から声をかけなくてもすぐに周りにいる人が助けようとしてくれたので、いつも助かっています。

また、さまざまな人種が住んでいるコペンハーゲンとは違い、わたしが住んでいる街にはアジア人が少ないので、日本人というだけで珍しいようです。そのため「困っている様子の外国人」というだけで目立つのかもしれません。

デンマーク人と深く仲良くなるには一定の期間が必要

それほど親しくない相手にも親切な人が多いデンマーク人ですが、深く仲良くなるには一定の期間が必要です。
デザインの学校に通っていたときも、初対面でいきなり友達になれる、なんていうことはなく、はじめは一言二言言葉を交わしてもむこうから質問は返ってこず、すぐに会話が続かなくなる、なんてことはよくありました。

それでも何度も顔を合わせたり、少しずつでも会話する機会が増えてくると、だんだんと打ち解けることはできますし、親しい相手にはすごくおしゃべりな人も多いです。

でも、わたしはイギリスでは語学学校に通っており、ヨーロッパ、南米、アジアなどいろんな国の人と接しましたが、初対面からフレンドリーな人が多かったので、デンマーク人のそっけなさとのギャップにはじめは戸惑いました。

最初は一定の距離があり、時間をかけて仲良くなるという点では、日本人の人間関係の築き方と近いところがあるのかもしれません。(もちろん日本人でも個人差はありますが。)

道端で出会ったデンマーク人と仲良くなった話

ところで、そんな初対面の相手にはシャイなデンマーク人と仲良くなるのが難しいな、と感じていた頃にある出会いがありました。

偶然の出会い

ある日、郊外のバス停に向かうために畑しかない田舎道を30分くらい延々と一人で歩いていたところ、バス停まであとひと息の距離のところで、車に乗った女性から声をかけられました。
デンマーク人はシャイ?道端で出会った人のお宅に招待されたときのこと
実際に歩いていた道です。本当になにもありませんが、デンマークの郊外ではさほど珍しくない光景。

「バス停に行くの?このまま歩いてたら間に合わないわよ。娘を送って行くところだから一緒に乗っていきなさい」

海外で知らない人の車に乗るのは抵抗があったので若干警戒しつつも、一時間に一本しかないバスに間に合わないのは困る!と見知らぬデンマーク人の女性の車に乗せてもらい、小学生の女の子と一緒にバス停まで送ってもらうことに。

ここまでは、親切な人だな、くらいにしか思っていなかったのですが、車の中で簡単な自己紹介をして少し話しているうちに、近くに住んでいるから今度遊びにいらっしゃい!というお誘いを受け、その場で連絡先を交換。
社交辞令かな、と思いつつ、バス停まで送ってくれたお礼のメールを送っておきました。

いざ、お宅訪問!

すぐにメールの返信が来て、一週間も経たないうちにお宅訪問することになりました。社交辞令ではなく本気でお誘いしてくれていたようです。

お宅訪問の日はわざわざわたしが行きやすい場所まで車で迎えに来てくれ、郊外にある家に着くと小学校の娘が広い家の中をあちこち案内してくれました。 庭もやっぱり広くて、最初公園かな、なんて思ったくらい。家庭菜園でじゃがいもや果物、お花を育てていました。

デンマーク人のあたたかさを感じるおもてなし

この日の料理担当はご主人。「じゃがいもが足りないから取ってきて」というご主人に、シャベルとバケツを持って庭でじゃがいもを掘り始める奥さん。

自己紹介のときにわたしがフードスタイリングの仕事をしていたという話を覚えてくれていて、テーブルに飾る花を見繕って欲しいというので、わたしも一緒に庭に出てお花を摘みました。

そして、ご主人が作ってくれた料理がこちら。
デンマーク人のおもてなし料理
初対面に近い人のお宅で写真撮るのは失礼かな、と思ってたんですが、写真撮らないの?と全員に注目されたので、ささっと余計なものだけ移動させて控えめに撮影しました(笑)

ついさっき庭で採ってきたじゃがいもに、ハンバーグに似た料理。特に美味しかったのはアスパラにベーコンとパイを巻いた料理です。きちんとセッティングされたテーブルに、私が見繕った花瓶も置いてくれて部屋にはキャンドルが灯されていました。

食事のときに出されたクランベリーのジュースが美味しいというと、手作りだから持って帰ってと、ひと瓶まるまるもらってしまいました。 摘んできたベリーで手作りというのも新鮮でしたが、味もすごく美味しかったです。

慣れないデンマークでの生活に少し疲れていたときだったので余計に、あたたかいおもてなしにほっこりしました。

どうして知り合って間もないわたしを招待してくれたの?

こんな風に今までもいろんな人を招いているのかと思いきや、私が初めてだそう。道で出会ったのも何かの縁だから、と言われました。

どうやら昔旅行でいろんな国に行き、その時に現地の人に親切にしてもらった経験があるそうです。海外のことに興味があるらしく、日本のことについてもいろいろ聞かれ、今度は旦那さんと一緒に遊びに来て!と。

おわりに

わたしは偶然素敵な出会いがありましたが、こういうケースは稀かもしれません。
すべてのデンマーク人に当てはまるわけではありませんし、初対面でよく話す人もいますが、特に若い人はシャイな人が多い気がします。

ある程度年齢を重ねていて、外国の文化に関心があったり、留学経験があったり、実際に日本に旅行したことがある人とは初対面でも比較的話が弾むように感じました。

これから滞在期間が長くなればまた新たな発見も出てくると思うので、その時はまた感じたことを書いていきたいと思います。

デンマークで新しい趣味と友達作りのために語学学校に行き始めた話。